次の時代の描き方を学ぶ ~ニッポン2021-2050を読んで~

書籍

 今回は「ニッポン2021-2050 データから構想を生み出す教養と思考法」についての簡単な内容と感想を紹介したいと思います。この本は落合陽一さんと元東京都知事の猪瀬直樹さんの共著です。

 2013年、東京でのオリンピック開催が決まってから日本は2020年にだけ標準を合わせて進んでいるのではないのか?これは2020年で日本の未来が止まることを意味してしまうのではないか?という問題提起から始まり、この本では日本が抱える問題や政治の話をテクノロジーを用いて解決する方法を考え、2020年以降の日本を見据えるための本です。

 この記事では、本で取り上げられていた一つの問題についてと、次の時代のビジョンの描き方について考えたことを書いていきたいと思います。特に私と同じ世代の人たちにはこのビジョンを持つということは大切になってくると思います。

 

都会と地方

問題の違い

 日本の問題を考えるにあたり、東京的な視点で考えると問題をとらえそこなうということが本の中で何度も主張されています。テレビのニュースでは、主に都内にスポットを当てられて、保育園が足りないだの言われていますが、都会の常識は地方の非常識で、地方は人が流出し、市の運営が困難になっているところがたくさんあるようです。

 私も地方出身ですが、自分がかつて小学校に通っているときは、近所に同じくらいの友達がたくさんいて、同じ地区でも登下校の班がたくさんありましたが、今では小学校へ向かう班編成とかどうなっているのだろうかと疑問に思います。あまり実家に帰っていないから見ていないだけなのかもしれませんが。

 実際に地方のある自治体でかかる予算は東京の約7倍に上るようで、それだけの額お金をかけないと自治体が回らなくなっているのが現状のようです。本書では、データをもとにこのことが良くまとめられていました。

 これはいつまでも人口増を見越した成長社会を前提にしていたため、構造が崩れ始めているのだと思います。

テクノロジーが共通項となる

 テクノロジーの話になると、デジタルデバイドの話になりより格差が開くのではないかといわれますが、落合さんはテクノロジーが東京と地方の共通項になると主張しています。地方でもスマホを持っている人は珍しくなく、テクノロジーは地方と都市を結んでいる最大の共通項になっています。

5G技術

 ここで重要になってくる技術が5G(第五世代移動通信システム)です。現在の4Gの進化版ですね。3Gのころは通話やメールができるくらいのものでしたが(YouTubeの動画が見れなかったのをよく覚えている)、4Gになって動画や音楽が再生できるように進化しました。そして、おそらく前倒しで2019年に実装されるといわれている5G技術では通信速度が大幅に上昇し、ほとんど遅延のない(ネットワーク遅延が1ミリ秒以下)通信ができるようになるといわれています。

引用 https://www.tel.co.jp/museum/magazine/015/interview01/02.html

 5Gが実装されると、遠隔操作ができるようになり、例えば地方に医者がいなくても遠隔で東京の名医の施術を受けることができるようになります(それどころかイギリスの名医にもつながるかもしれません)。ほかには、遠隔でロボットや車いすを動かすことで介護の助けになると予想できます。

 こういったテクノロジーが人的コストを抑え、東京と地方の差を埋めることに貢献すると予想できます。ぜひ5G技術について知らない方は調べてみてください。ここでは紹介しきれないほどの新しいことが詰まっている技術です。

 

僕が考える地方再興を実現するための最大の条件はテクノロジーフォビアにならないこと。ロボフレンドリー、テクノロジーフレンドリーであること。これに尽きます。 (本書引用 落合陽一氏)

 

構想力 ビジョンを描くために

 次の時代を考える上で大切なこととして下の3つがあげられています。

1、歴史や統計データを知ること
2、論理的な日本語力を身につけること
3、時代に適合した文理問わない教養を身につけること

 この三つは私が高校の時には知らなかった、大学に入ってから学んだことをそのまままとめているような感じを受けました。これまでの歴史ではどうであったか、そして今は何が語られているのかを理解しなければ、その分野を研究し語ることはできないということ。そして日本語力、言葉の力を学ばなくてはいけないということ。最後に理系科目だけではなく、文系科目と呼ばれるものにも大切なことがあって、そもそも文理と分けることが間違っているのではないかということ。(これについては私の過去の記事にまとめてあるのでよかったら読んでみてください)

言葉を磨く大切さ

 特に、二個目の日本語力については落合さんも猪瀬さんも強く主張されていたので取り上げます。

英語や外国語の教育はいつの時代も、どの年代からも注目されるものです。・・・けれども話せたからと言って、単にコミュニケーションが取れるという以上の意味はありません。僕は、そんなつまらないことより論理的に言葉をつかえることが重要だと考えています。なぜか。第一に語るに足る人材であることが一番重要だからです
(本書引用 落合陽一)

 

研究が進んでAIがうまく進展すれば、官僚のような仕事は取って代わられるだろう。そこで大事になるのがビジョンを示す力になるだろうと思います。ビジョンを示す力とは、まさに言葉の力を鍛えることでしか生み出すことができません
(本書引用 猪瀬直樹)

 

 どんな新しいものを生み出すにも、必要なのは思想を鍛え上げ、磨き上げる「言葉の力」でしかないとも猪瀬さんは言われていました。私は逆説的ですが、深い思考を重ね、思想を鍛えようとすると論理的な言葉や言葉の力というものが身に付き、その言葉で思想も純化されていくのだと思っています。

 相手の話している言葉を聞けば、その人の知性が大体わかるように、言葉にはビジョンを示すうえでも重要な役割があるのだと再認識させられました。

 

まとめと本の紹介

 政治の知識が少ない私ですが、この本ではわかりやすく現在の日本の様子をデータでとらえることができました。ほかにもポリテック(政治+経済)の話や、猪瀬さんの日本の統治構造の話はとても面白かったのですが、今回は記事の長さ的にもまとめられなかったので、よかったら実際に読んでみてください。

 

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