イデオロギーとしての資本主義

雑記

 大阪大学准教授で経済学者の安田洋祐教授の資本主義の話がとても分かりやすかったので、それを踏まえて考えたことと内容を紹介します。

 

資本主義の意味

 資本主義の定義は人によってさまざまな言い方がされています。海外では、資本主義イコール市場経済として使っている人が多いようですが、これは仕組み制度の話です。

 仕組みとしての資本主義は、利潤を動機として商品を生産し、市場で売り儲けることを意味しています。しかし、資本主義という言葉には「主義」(イズム)という風に書かれているように、その思想やイデオロギーとして言及する人は少ないのではないでしょうか?

 

資本主義のイデオロギー

 仕組みや制度の後ろには何かしらのイデオロギーがあるはずです。資本主義のイデオロギーは、「利益を再投資する」というものだと安田教授は言っていました。生産によって得た利益をまた生産にまわす(再投資)。それによって経済が成長していく仕組みが出来上がります。

 

日本の状態

 では、なぜ現代でそれができなくなっているのかについて、安田教授はとても興味深い視点で話してくださいました。高度経済成長期の日本は、生産をすればするほど、利益が出ていたので、自然と再投資にまわっていたと言います。しかし、現在の成長期を終えた日本では、イズムの部分が忘れられ、利益が生産にまわることなく、他の市場に利益が入っていくため、サイクルがまわらない形になっているようです。

 日本人は貯蓄率が多い国と言われていて、その保守性も問題として挙げられますが、もっと問題になっているのが、銀行が再投資しなければいけないけれども投資先がない、ゼロ金利というものが起きていることです。つまり、個人レベルで使えないお金をキャピタル(再投資)に回すチャンネルが細っているのです

ちなみにキャピタルの対となる語はウェルス(Wealth)=死蔵されてしまう富 でこれはユヴァル・ノア・ハラリのサピエンス全史から来ています。

 さらに、日本も「貯蓄から投資へ」と言われていますが、株式投資も、すでに発行された株を売買しても、持ちてが変わるだけで直接的な生産活動に繋がりません。

 

新たな解決策

 需要を増やすことや、富豪に使わせるといったマクロ的な考え方やベーシックインカムという考え方もあります。これらは私有財産に焦点を当てた考え方ですが、最近話題のクラウドファウンディングはミクロレベルの解決策として、利潤動機や市場経済を資本主義のイデオロギーを残したまま、次世代の形にすることができていると言います。

 これまでの資本主義経済でのリターンはすべて金銭的なものでした。しかし、クラウドファウンディングでは、リターンとして金銭以外の価値を受け取ることでサイクルをまわすことができます。これはテクノロジーが可能にした新しい市場の形ということができるでしょう。

 

イデオロギーを見直す

 結局は、成長のためには、生産活動を行い、そこから出た利益を生産に回すことが大切なのだと思います。個人レベルで私たちができることは何なのか、資本主義をイデオロギー面から考えて行動に移すことを考えなければいけません。

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